2011年11月14日月曜日

Former Sox Prospect Review: Jonathan Papelbon, RHP

久しぶりにこのコーナーに帰ってきました(笑)。今回は、つい先頃正式にPHIとの契約が決まった、Jonathan Papelbon。PHIに行ってもBOS史上最高の生え抜きクローザーということは変わらないし、これからも応援したいと思います。

Photo from SoxProspect.com

[Player Data]

Name: Jonathan Papelbon (ジョナサン・パペルボン)
Full Name: Jonathan Robert Papelbon
Positions: RHRP/RHSP
Born: November 23, 1980
Birthplace: Jacksonville, Florida
Height: 6-4
Weight: 215
Bats: Right
Throws: Right
Drafted: 4th Round, 2003; 40th round, 2002 by Oakland
How Acquired: Draft
Signing Bonus: $264,500
College: Mississippi State
High School: Bishop Kenny HS (FL)
MLB Debut: July 31, 2005 (Boston)
How Left: Free agency, signed with Philadelphia (November 2011)
Player Link: MLB.com, Fan Graphs, Baseball Reference, SP.com, Youtube


[Scouting Report]

理想的な投手体格で素晴らしい腕を持つ。速球はMLBに到達後は主にリリーフで平均95 mph、最速98 mphと、クローザーとしては最高クラスではないが十分な威力がある。非常に伸びのあるボールで知られており、多くの空振りを奪っていたが、近年は球速こそ変わっていないものの、わずかに威力が落ちている印象。制球は速球派クローザーにしては例外的に非常に良く、四球は少ない。ただコマンドに関しては、勝負どころでやや甘く入ってしまうこともあり、近年はセーブ失敗が多い。ルーキーイヤーの06年シーズンに肩を疲労脱臼したため、負担がかかりにくいように少しメカニクスをいじったのが、コマンド・球威に影響を与えているとも言われている。セカンドピッチはスプリッターで、これを05年のSTでCurt Schillingに伝授されたことは、彼の投手としてのレベルを別次元に引き上げた。ケガ後しばらく使用をやや減らしていたが、ここ2年は再び決め球として使用している。またスライダーも切れ味の鋭い、質の高いピッチではあるが、MLBでは思ったほど効果的でない。コマンドがやや不安定というのが大きい。マイナーでは先発だっただけあり、かつてはチェンジアップやカーブも投げていたが、近年は投げていない。


[Background]

弟二人もドラフトされており、CHCの06年ドラ19のJeremyは左腕。BOSの06年ドラ48のJoshはサブマリン投手だったが、いずれもMLBに辿り着くことなく、10年のシーズン後にリリースされている。カレッジでは主にクローザーを務めた。02年にOAKがドラ40で指名もカレッジに戻ったが、これはその年のCollege World Seriesで敗退したため、再挑戦を希望したからだろう。PHIも契約できるなら、ドラ6で指名する予定だったそう。03年のドラフトではシニアーだったため、ドラ4まで落ちてBOSと契約。ここ10年でMLB全体でも最高のドラ4とされている。


[Profile]

03' : 03年のドラフト直後に契約し、SS-A Lowellでプロデビュー。カレッジではリリーフだったが、先発への転向に挑戦した。

04' : High-A Sarasotaで129.2 IP/2.64 ERA/153 Kと素晴らしい成績を残し、Jon Lesterと共に傘下のTop Prospectと認識されるようになった。

05' : AA Portlandでも文句なしで、AAA Pawtucketに昇格。崩壊するMLBリリーフ陣の補強として、リリーフ経験を積ませた後、7/31にMLBデビュー。印象的な投球を続け、3試合に先発した。

06' : 04年のWS制覇に貢献したクローザーKeith Foulkeがオフの手術から不安定な投球に終始したため、彼に代わりBOSのクローザーに就任。68.1 IP/0.92 ERA/35 SV/75 Kと文句なし。ただシーズン終盤に肩の疲労で脱臼したことから、連投能力に疑問符が付き、先発転向が打診された。

07' : STでしばらく先発として投げ、順調にいっていたように見えたが、Julian TavarezやJoel Pineiroといったクローザー候補の不甲斐なさを見かねたのか、本人が志願してクローザーに復帰。37 SVを挙げるなど、前年と遜色ない活躍で、WS優勝に貢献。優勝を決めた瞬間は上の写真の通りで、捕手のJason Varitekを抱き上げる、通常とは反対の光景は多くのBOSファンの目に焼き付いている。MLBでも最高クラスのクローザーと認識されるようになった。

08' : キャリアハイとなる41 SVを挙げるものの、前2年に比較するとやや支配力を失った感。

09' : 内容的には前年と似たような形で、PO-ALDSの、LAA戦でセーブ失敗。PO敗退に導いてしまう。また長期延長を拒否していることから、トレードの噂なども出始めた。

10' : ギリギリERA 3点台で37 SVを挙げるものの、キャリアワーストと言える成績。Daniel Bardの成長もあり、11年オフの流出が確実視されるようになった。

11' : 序盤ややもたつくも、中盤戦はほぼ完璧な投球で、6年連続30 SV。また87 K/10 BBと内容も素晴らしかったが、最終戦で9回2アウトから悪夢の2失点で、POを目前で逃す歴史的崩壊の当事者となってしまった。

11' Nov. : PHIと4年$50M+オプションで契約。

12' : 環境の変化を物ともせず、これまでで最多のシーズン70登板で38 SVを挙げ、改めて史上有数のクローザーであることを印象付けた。

13' : チーム状況が悪く、放出の噂などでモチベーションを落とした影響もあるのかもしれないが、やや奪三振率を落とし、キャリアで初めて9.00を切った。

14' : さかんに球威低下が言われるようになっているが、奪三振率こそ以前の水準ではないにしろ、防御率・被打率・与四死球率などでもキャリアでトップクラスの成績を残している。パワーだけではなく、総合力で抑えられるようになっており、今後もキャリアを築いて史上でもトップクラスのクローザーになりそう。

15' : PHIで安定して投げていたが、厳しいファンと悪いチーム状況から、チームを出たいと希望を見せ、デッドラインでWASへ。リーグ有数のクローザーだったDrew Storenを差し置いてクローザーとして投げ、本人はしっかり投げたものの、WASブルペン全体としてはむしろ悪化。シーズンの最後にチームの顔であるBryce Harperに掴みかかるなどして、ファンの印象も最悪に。

16' : 開幕からそこそこの投球を見せるも、ファンの怒りは冷めず、夏場に連続で打たれたところでリリース。BOS復帰も噂になったが、結局どことも契約せずにシーズンを終えた。


[Comment]

BOSで229 SVを挙げた偉大なクローザーというだけでなく、精神的に非常にタフで、なんやかんや言っても最後に彼が控えているという安心感はありました。多少変わり者だけど、キャラクターもBOSに良く合っていたし、マイナーからの生え抜きでもあるので、他球団に去ってしまうことも非常に残念です。PHIも非常に働き甲斐のあるチームだろうし、これまでのキャリアを比較されている、Mariano RiveraやTrevor Hoffmanのような歴史に残るクローザーになれるよう応援したいです。

2 件のコメント:

BF さんのコメント...

ここまでクローザーって感じのクローザーはなかなかいませんよね(笑)
試合最後の勝利を飾るのにパぺルボンだと何となく「ッシャー終わったー」
って感じになる。来期からはそれがなくなるから違和感があるだろうな。
マイナーではかなりトントン拍子で最初からメジャー上がるまで大きな壁もなくすんなり上手くいったって感じですね。

まあでもこれでベルやマドソンなんかと契約する可能性もかなり減ったのかな。今のところ投手に関しては
先発リリーフかかわらず
大型契約になりそうな選手を敬遠してる感じですね。

ララ さんのコメント...

BFさん

能力だけじゃなくて、やっぱりキャラクター面でも貴重な存在でした。

カレッジでこれだけスタッフある選手が下位に残るのは珍しいですよね。ここ2年ほど多くのカレッジ選手をドラフトしてるわりには今一つだし、知名度よりもスタッフをしっかり見てもらいたいなと。

今はちょっと大型契約は勘弁してもらいたいですね。リリーフは育てないとコストに合わな過ぎる...